相続が発生した後、遺言や遺産分割協議により相続人が決まった不動産については相続登記を行います。

以下では、この相続登記について、登記をしない場合に起こり得るトラブルや登記の方法などについて説明をいたします。

相続登記とは

相続登記とは、被相続人から不動産を相続した相続人が、相続した不動産の所有権の登記名義人を、被相続人から相続人に変更することです。

この手続きは、法務局、地方法務局、その支局及び出張所に対して行います。

相続人自ら相続登記を行うこともできますが、一般的には、司法書士等の代理人に対して手続きを依頼します。

なお、相続登記には、法律上定められた登記期間(いつまでに登記しなければならないという義務)はありません。

しかし、相続登記をしておかないと、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。

相続登記には登録免許税がかかる!

登記にかかる手数料として、登録免許税がかかります。

相続登記の場合の登録免許税額は、相続の対象となる不動産の固定資産評価額(千円未満切捨)の4/1,000です。

なお、司法書士等の代理人に依頼する場合には、この他にも、司法書士への報酬の支払いが必要になります。

相続登記をしなかったら、争いが起こるかも??

さて、相続登記には、法律上の義務がありませんから、人によっては、不動産を相続しても、相続登記を行わない方もおります。

しかし、相続登記を行わない場合には、思わぬトラブルに巻き込まれる場合もあります。

トラブルの具体例

例えば、被相続人をA、相続人がB及びCとします。Aが亡くなり相続が開始しました。

Aには遺言がありませんでしたので、相続人であるBとCが遺産分割協議を行い、A所有の土地はBが相続することが決まりました。

しかし、Bは、Cを信頼していたので、相続した土地の登記名義を、AからBの名義に直すこと(相続登記)をしませんでした。

Cは、遺産分割協議の段階ではAの土地をBが相続することについて異議がなかったのですが、急にお金が必要になり、後に気が変わりました。

そこで、Bが相続登記を行っていないことに目を付けたCは、A名義の土地を法定相続があったことにして相続登記を行い、名義をBとCが持分1/2ずつの共有としました。

さらに、お金が必要であったCは、友人のDに自己の持分を売却し、CからDに対して、所有権持分の移転登記を行いました。

こうなると、Bは、自分が相続したと思っている土地の持分所有者を名乗るDから、持分権に基づく土地の使用を求められたり、持分を法外な価格で購入するよう求められたりします。

Bが自己名義に土地の相続登記を行っていれば、Dの主張は簡単に拒否できますが、Dが登記名義人であれば、Bは無視するわけにはいきません。

相続が決まったら、すみやかに相続登記をすること

上記のようなトラブルを防ぐためにも、不動産を相続した場合には、相続登記をしっかり行なっておく必要があります。

相続人間で争いがなく、後々にトラブルになる可能性が少ない場合でも、突然状況が変わることもあります。

その時になって慌てないように、相続が決まったら、速やかに手続きをすべきです。

まとめ

今回は相続登記についてお話しました。

相続登記は事前にトラブルを防ぐためにも、相続が決まったら後回しにせず、速やかに手続きをすることが大切です。

相続税は早めに対応することで、大きく減税できる可能性があります。
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