相続にもさまざまな時効がある事をご存知でしょうか?今回は相続における時効について、確認していきましょう。

1.時効ということばの意味

時効とは、一定の期間が経過することで、自分の主張が認められなくなることをいいます。
相続において、自分の主張が認められなくなるケースと期間について、確認します。

2.相続に関係する時効は4つ

相続が発生した場合、時効が問題となるのは、以下の4つになります。

① 遺産分割を請求する権利
② 遺留分減殺請求権
③ 相続放棄
④ 相続回復請求権

順番に見ていきましょう。

2-1.遺産分割を請求する権利について

被相続人が遺言を残していない場合、相続人の間で行う話し合いを遺産分割協議といいます。
そして、ある相続人が他の相続人に遺産分割を申し出る権利を遺産分割請求権といいます。
遺産分割を請求する権利は、時効によって消滅することはありません。

2-2.遺留分減殺請求権について

遺留分減殺請求は、被相続人が遺言を残していた場合に生じる問題です。
例えば、父親が遺産は長男にすべて相続させるという遺言を残していても、相続人となる他の兄弟にも遺産を取得する権利は存在します。
この相続人に保証された最低限の遺産取得割合を遺留分といいます。
そして、遺言を残されなかった相続人が、遺言を残された相続人に、遺留分を請求することを、遺留分の減殺請求といいます。
この遺留分減殺請求には、期間制限があります
相続開始と減殺の請求をすることができる遺言があることを知った時から1年間経過すると、遺留分の減殺請求ができなくなります。
よって、被相続人の遺言を発見した場合には、すぐに遺留分の減殺請求をしたほうがよいでしょう。
遺留分の減殺請求権は、相続開始時から10年を経過した場合にも、時効によって消滅します。

2-3. 相続放棄の場合

被相続人が残すのは遺産だけではなく、マイナスの資産である借金を残してしまうこともあります。
被相続人が借金を残していた場合、相続人がの借金を引き続き、返済していくことになります。
このような場合、「相続の放棄」という手続をとることができます。
相続の放棄とは、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がないという手続きになります。
この相続の放棄がとれる期間は、相続が開始したのを知った時から3カ月間となります。

2-4. 相続回復請求権の場合

相続人ではない者が相続をして、本来の相続人が遺産を相続できなかった場合、本来の相続人は、相続人でない者に対して、遺産の返還を請求することができます。
これを相続回復請求権といいます。
相続回復請求権の時効は、自分の相続権が侵害されていることを知った時から5年間相続開始から20年間です。

3. まとめ

相続における時効は、ケースにより期間が異なりますが、なるべく相続が発生したことを知った時から、早めに行動することが鍵になってきます。

相続税は早めに対応することで、大きく減税できる可能性があります。
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