相続格差について

これまでは、結婚していない男女間の子(非嫡子)の相続割合(法定相続分)には、結婚している夫婦の子(嫡出子)の2分の1になるという民法の規定がありました。
この相続の扱いの違いを相続格差といいます。
ところが、平成25年9月4日に最高裁判所は、この相続格差を「法の下の平等を保障する憲法に違反しており無効」であるとし、「違憲」であると判決を下しました。

相続格差が違憲と判断された理由

日本は法律婚を重んじる国であり、これまでは、嫡出子の立場を尊重するためい、非嫡出子にも相続させることで保護しているとして、相続格差を合憲としてきました。
ところが、主要先進国で相続格差があるのは日本だけで、国内外からの批判があり、最近では、国内でもシングルマザーや事実婚が増加し、生活スタイルが変化してきています。
よって、このような諸事情から、最高裁判所は、相続格差を違憲と判断しました。
なお、最高裁判所が民法を違憲としたのは初めてのことになります。

過去とこれからの相続への影響

この相続格差について、過去の相続にまでさかのぼって影響するのかという点ですが、最高裁は、すでに合意して確定しているものには影響を及ぼさないとしています。
ただし、まだ合意していない相続や、今後発生する相続においては影響が出てくる可能性があります。
また、法定相続分が変わることで、遺留分も変わります。
遺留分を侵害しない範囲で婚外子に相続させる旨の遺言書を作成した場合でも、この民法改正の影響により、遺留分を侵害してしまう可能性があります。
よって、遺言書の見直しの検討が必要になるケースもありえます。

まとめ

非嫡出子の相続の違憲は、ライフスタイルの変化に伴う影響が大きいですが、今後の相続に影響が出て来る可能性があります。
よって、相続対策を考える上で、非嫡出子の相続は検討すべき課題であるといえます。

相続税は早めに対応することで、大きく減税できる可能性があります。
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